現時点で、1月中にブックビルディング(需要申告)の期限を迎える新規上場銘柄は、4銘柄となっています。
その中で、ライトワークスは、主幹事がHS証券となっています。
HS証券が主幹事を務めることは近年の実績では年に1-2回で、大手証券会社と比較すると多くはありません。
この機会に、HS証券のIPOについて証券会社のHPを改めて眺めていたところ、面白い記載を見つけました!
過去のIPOの当選倍率が細かく記載されている!
HS証券のHPでは、過去に取り扱った銘柄の当選倍率が公開されています。しかも、通常の抽選と優遇条件での抽選倍率まで分かれて掲載されています。
こういうデータを見ると、ついつい前職のクセで色々と分析してみたくなりますね!
まずはHS証券の抽選条件を確認
完全抽選への配分は7%のみ
HS証券では、引き受け株数のうち10%(以上)がインターネット抽選へ配分される。
さらにそのうちの30%(以上)が、優遇抽選によって配分される。
“(以上)”の記載を無視し、10,000株をHS証券で引き受けた場合の配分は、以下です。
9,000株:証券マンが店頭で裁量配分
700株:全体抽選
300株:優遇抽選
他のインターネット系証券会社と比較すると、完全抽選が7%は狭き門だな、という印象ではあります。
前受け金:不要
前受け金は不要なので、実際に当選確定してから資金を準備すればOKです。
実際にIPO投資を始めると、よっぽど資金に余裕がある方でなければ、資金移動は常に悩みの種です。
しょっちゅう入出金を繰り返したり、そのタイムラグで他の投資に間に合わず機会損失したり、そうならないために頭を悩ませる時間がかかったり。
なので前受け金不要は非常に助かり、申込のポチポチだけなので工数も圧縮出来ます。
未成年口座:作成可能
未成年口座も作成可能との事。
我が子用に作成したら、レポートします。
当選確率×初値売りした場合の収益で期待値を算出してみた
期待値の算出方法と結果
算出方法は、以下です。
・HP上にA銘柄は100倍と記載(=当選確率は1%)
・A銘柄を初値売りした場合、100,000円の収益だった
⇒この条件での期待値は、100,000円×1%=1,000円
2021年分の取扱い15銘柄による結果は以下でした!
全体抽選の期待値=1,999.3円 (1銘柄平均133.3円)
優遇抽選の期待値=29,686.3円 (1銘柄平均1,979.1円)
期待値時給に換算してみよう
申込時にかかる時間は1銘柄1分程度とします。
現実的に申込は他の証券会社からも行うので、今回の前提では目論見書等を読込む時間は共通とし考慮から外しています。
1分で133.3円分の期待値を稼いでいるので、期待値時給は約8,000円!と考えられるのではないのでしょうか。
注意点;バラつき、リスク、当選確率
若干盛り上がったところで盛り下げますが(笑)、これはたった15銘柄での結果ですので、実際にはバラツキます。
昨年HSで取り扱った銘柄は、最低+2,800円、最高+676,000円と、マイナスがありませんでしたが、初値がマイナスに沈むリスクも、もちろんあります。
また、当選確率自体は、最低0.012%~最高0.977%、平均で0.180%でした。
これを1年で15銘柄分積上げても2.693%にしかならず、仮にこのペースだと約37年で1回分の当選期待です。
うーん、ちょっと気が遠くなりますね…。しかもその1回が初値マイナスだったら・・・。
もし、夫婦2人、子供2人で協力した場合は、約10年に1回に短縮できますね。
優遇当選を狙うとどうか
優遇抽選の条件
優遇抽選の条件は、以下です。
- 1,000ポイントを使用すると優遇抽選に1口応募可能
- 取引手数料1,000円毎に100ポイント獲得、毎週末の買建てー売建て100万円毎に10ポイント
- ポイント有効期間は2年間
- 当選しなかった場合は、ポイント消滅
ここでは、金利分の加味など計算がややこしくなるので、一旦建て株ポイントは非考慮とさせて下さい・・・。
優遇条件を取引手数料で満たし、申込む場合の想定
取引手数料だと、10,000円分=優遇抽選1口です。
注目は、有効期間2年と落選時消滅の条件です。ちょっと厳しいですねぇ…。
仮に、50万円と、30万円の銘柄を月1回ずつ現物取引=手数料1,001円。
これで約1年取引し1,000ポイントを貯め、狙い撃ちしたい銘柄を残りの期限1年内で待つ、くらいのペースになるでしょうか。
それなら、アッチの証券会社で信用買して現引すれば取引手数料無料で金利だけだしなぁ・・・、とか考え出してしまうと、実質的には8,000円ぐらいを「あえて」優遇料金として落とさないといけないイメージになりますね。
ここで期待値を振り返ると、優遇での期待値は1,979円でした。
優遇抽選狙いの結論=それだけを狙う旨味は薄いが
優遇抽選だけを目的にポイントを貯めて、銘柄も特に選ばず適当に投入した場合は、手数料が勝ってしまいそうです。
ただ、普段からHS証券でトレードしている方が、ここぞ!という銘柄にポイントを投入することが出来た場合には、最も旨味がありそうです。
当然、HS証券としてもお得意様を優遇したいので、優遇抽選「だけ」を狙うこと自体が理に適ってないという意味では、良い設計なのかもしれません。
まとめ:IPO投資はローリスク、応募しなければ当たらない、落選ならノーリスクも考慮
あれこれ机上で計算して一喜一憂してはみましたが、そもそもIPO投資はローリスクな投資です。
宝くじなどの確率に比べれば、かなり良心的・現実的な確率です。
時給なんて表現しましたが、アルバイトなどと異なり、「ながら」で作業が出来ます。
例えば、電車内、テレビ見ながらCM中に、ちょっとした待ち時間に・・・。
結果が落選であれば費用も不要、HS証券に関しては前受け金も不要なので、お手軽に申し込むだけです。
意外とアッサリ当選!なんてことを起こすためには、まずは打席に立つ必要があります。
数字は一旦脳裏の隅にて、私もコツコツと申し込んでいきたいと思います!
ここまでお読みくださりありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。