先週4/8に、ヒューリックがリソー教育にTOB実施というニュースがありました。
その後から現時点までの値動きでは『翌日の寄らずストップ高の中で売却しておく』のが最適解だった、という推移になっています。
今回私は保有も売買もしていなかったので他人事ではありましたが。
将来、保有株が同じような状況になった場合により正解に近い行動が出来るように、貴重なケーススタディとして記憶に残しておこうと思いました。
リソー教育のTOB価格は320円。303円寄らずストップ高の翌日は10%下落!
ヒューリックによるTOBが発表された当日終値は223円。
TOB価格は320円でした。
発表翌日の4/9はストップ高である303円気配のまま、寄り付かずに終了。
その後『通常のTOBであれば』さらに上昇して320円にサヤ寄せしていく展開を想像してしまいますが…、今回のリソー教育のケースでは違っていました。
なんとストップ高翌日の4/10は売り気配スタート、始値279円・終値273円と10%程度の下落に…!
現時点での最新株価は277円(4/12終値)となっています↓
保有も売買もせず他人事だったので情報もキチンと追っていなかったので、私も売り気配でザワつくまでまったく予想出来ていない展開でした。
なんでこんな値動きに?と思って調べてみると、今回のTOBは通常のTOBと異なるポイントがあったとのこと。
TOBに関する開示を見ると『通常のTOBとは違うこと』が冒頭に書かれていました↓
リソー教育公式HP、公開買い付けに関する開示資料の原本を確認されたい方はコチラ↓
リソー教育として公開買い付けには賛同していますが、
- 本公開買付けには買付予定数に上限が設定されている
- 本公開買付け後も株式の上場が維持される予定
というケースだったとのこと…。
買付予定数の上限から単純に推測するのは難しい?
リリースをさらに読み進めていくと、具体的な買付け予定数が登場します。
所有割合が51%で十分なので、買付け予定数の上限は39,447,200株とのこと。
また、15,780,250株を保有する第2位株主が全株応募することが決まっている模様。
…ということは今回のTOBで確実に購入してくれる株数は、
39,447,200-15,780,250=23,666,950株
となるみたいですね。
続いてリソー教育の全株式数と浮動株を四季報情報から確認すると、
- 全株式数:156,209千株
- 浮動株比率:11.5%
- (ということは、浮動株≒17,964,035株)
となりそうです。
一応、第2位株主+浮動株全部を買い上げても上限株数には達しないんですねぇ…。
うーん…、コレが圧倒的に足りてないなら分かりますけど。
確かに第1位株主が17,780,000株、第3位株主が10,330,000株を保有しているようなので、このあたりが賛同して全株応募したらスグ埋まっちゃうのが懸念されている…?
上限株数の観点のみから翌日以降の下落を予見するには、もう少し情報が必要そうに感じます。
…もしくは、どこかで情報か私の計算間違いがあるのかも?
上場が維持され、TOB成立で1割増資予定
TOB成立後も上場が維持される点と、TOB成立を条件に現全株式数の1割相当にあたる15,596,330株の増資が行われる点も影響しそうです。
ヒューリックとリソー教育が親子関係になった場合の大きなシナジー効果って…、私程度には容易には想像出来ません…。
ヒューリックのエライ方には、もちろん見えているんでしょうけど。
万が一、業績向上がほとんど伴わなかったとしたら、以前の株価に逆戻りしてしまう可能性もありますよね。
TOB成立を確実に狙いある程度のプレミアムは織り込まれていると考えるなら、320円という株価は現在の実力以上と考えることも出来るのかもしれません。
さらにTOB成立後に実施される増資により株式数が1.1倍になることを考えると、1株利益の観点から約10%の株価割引はありうるのかも…?
成立狙いのプレミアム分を引いて…、増資分を引くと…。
なるほど270円…、そんなもんなのかな…?と思わなくもない?
…って結果から後付け妄想状態ですけど(笑)
まとめ
イマイチはっきり結論は出ていませんが。
今回は、ヒューリックによる現在の一時的な評価である320円に対し、応募すれば確実に購入してもらえるとは限らない上限付きだったことと、上場維持により将来的な市場での再評価が要因だったのかな…?とうっすらと思っておくことにします(笑)
しかし発表翌日のストップ高水準、あと一歩で320円に届かない位置だったのも絶妙な罠でしたよねぇ…。
タラレバですけど、もし320円を跨げる株価位置だったらもっと損失を出してしまう方は減っていたのかも…?
それでも、高くとも320円未満で寄り付いていた可能性は大きそうですけど。
少なくとも私には、
『TOB=買付価格まで絶対上昇する!』…という誤った思い込みは危険!
…だと理解する有意義なケーススタディとなりました。
今回は、TOBが公表された夕方から翌日のストップ高気配のまま引けるまで、『現状』最適な売り注文を入れるための猶予は1日弱ありました。
それだけ時間があれば、開示資料を確認する時間は取れそう。
- TOBに賛同しているのか?
- 買付上限があるのか?
- 上場は維持されるのか?
こういった点で違和感を感じるような記載がないか?
ストップ高に張り付いている株価の動きが(短期的には)間違っていることもあると目の当たりにしましたので。
将来的に機会があれば、思考放棄せず自分自身でしっかり確認してみようと思います!
そういえば最近のTOB関連で、C&Fロジも目が離せない展開になってきましたねー。
同社の優待ファンですし、応援のつもりで購入しておいても良かったかなと今さら思いつつ、こちらも行く末に注目しています。
ではー。